猫ひげ1000本

ふと自分に聞いてみたくなる1000の質問

恋の穴

母が言いました。

「結婚は愛。 恋は他ですればいい」

 

「いや、他でするのはマズイんじゃない?」

と私。

 

母「でもみんな恋したいんでしょ。恋したいから、あっちこっちで不倫やら浮気やらしてるんだから」

私「うん。だからそれはダメなことだよね」

母「だってしょうがないでしょ。結婚しちゃったら、夫や妻に恋なんてしないでしょ。愛情はあっても恋じゃないわよね」

私「でもさ、それで家庭を壊すところまで行くのはねぇ」

母「いいのよそれで。そんなの勇気の問題なんだから。勇気がある人は家庭を壊すところまで行くのよ」

私「勇気の問題じゃないと思うよ」

母「恋に走る勇気があるかどうかよ」

 

一体この人は何を言っているのだ??

 

ボケたん違うかな。

と心配になりました。

 

 

ただ、「恋に走る勇気」という言葉には、納得がいくものがありました。

「恋に落ちる」なんて言いますが、例えば「恋という穴」が目の前にあるとして、その穴の縁に立って、穴に落ちようとする自分に戸惑いを覚えたり、躊躇したり、後ずさりすることってありますよね。

 

十代の頃みたいに、純粋な好奇心と性欲のままに、恋の穴に飛び込んでいくピュアさはもうない。
大人になると、過去の失敗から来る警戒心や、現状を乱す恐怖、未来への不安で、恋の穴の前で立ち止まり、じっと穴を覗き込む。

 

恋に落ちるのを恐がって、足踏みをしている「大人」がたくさんいる。

 

私の友人(独身)は、十歳下の女の子に惹かれているのに、「好きとかじゃないけど」とかなんとか言って、自分の気持ちを誤魔化そうとしている。そのくせ、その女の子の話をやたらとする。

 

「好きとかじゃないってなんなの?その子のことを好きって言うのなら話を聞くけど、そうじゃないなら、その子の話もういいわ。興味ない」

気心が知れている相手だからということもありますが、きっと私は彼に対して、ものすごくイライラしていたから、そんな強い言い方になったのだと思います。

恋の穴に落ちるのをビビって、穴の周りをぐるぐるしている彼に、イラっとしたんです。

 

彼は言いました。

「十も上の男、むこうも真剣に相手にしないだろ。この前、オジサンって言われたし」

「実際オジサンでしょ、その子から見たら」

「だからさ、無理なんだよ」

 

素直に恋の穴に落ちちゃえばいいじゃん。

そう思いました。

 

落ちたらきっと、痛いし辛いし、自分を見失うほどの渦に巻き込まれる可能性もあるけど、それこそが恋の醍醐味。

 

恋は幻想って言うけど、本当にそう。

だからこそ、ものすごくいい。

 

恋ほど合法的に飛べる最高のドラッグはないんだから、恋の穴が目の前に現れたなら、深く深く落ちればいい。

 

 

ふと自分に聞いてみたくなる1000の質問 #8

恋をしていますか?

 

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