王子様が王座から降りる時
北京オリンピック、盛り上がってますね。
平野歩夢選手の金メダル、ドラマチックでした!
そして王子様、羽生結弦選手。
残念でしたね。
試合中、成績上位の三人が待機する「グリーンルーム」とやらを、日本人が独占する場面がありました。
真ん中に一位の鍵山優真選手、その両脇に宇野昌磨選手と羽生結弦選手が座っているのを見た瞬間、かすかな違和感を感じました。
ですがすぐに、その違和感の正体がなんなのか、わかりました。
羽生選手が真ん中にいない。
王子様である羽生選手。
絶対王者である羽生選手。
いつも真ん中にいるイメージがありました。
それが当たり前の光景すぎて、彼が、誰かの脇に収まる、悪く言うと、脇に下る様に、衝撃にも似た驚きがありました。
スポーツの世界は、そういった意味でとても非情で、それと同時に、努力を重ねる誰にでも王座に座るチャンスがある、そう思わされる場面でした。
試合後のインタビューでの羽生選手の言葉には胸を打たれました。
「正直、これ以上ないくらい頑張ったと思います。報われない努力だったかもしれないけど」
自分で頑張ったと言い切れるって、そうそうないことだと思います。
少なくとも私は、滅多にない。
っていうか、ない。
「報われない努力」
これもやはりスポーツの世界で生きる彼だからこそのセリフだと感じます。
努力って基本、最終的になんらかの形で報われるというか、無駄にはならないものじゃないですか。
ですが、オリンピックという場で、金メダルを獲ることしか選択肢に無いような立場で、それが叶わなかったら、やはりそれは「報われない」ということになるのだと思うと、彼は幼い頃からとても過酷な世界で頑張ってきたんだなと思いました。
「確かに、SPからうまくいかなかったけど。むしろ、うまくいかないことしかなかったけど、一生懸命頑張りました」
一生懸命頑張りましたなんて、言ったこと…
ない。
幸か不幸か、私はスポーツの世界で生きているわけではなく、この小さな一室で、床に落ちた猫ひげを一本二本と数えているだけで日々が過ぎていくような、そんな世界で生きているので、「一生懸命頑張りました」ってところまで自分を追い込まなくてもどうにかなっています。
でも、羽生選手の清々しい笑顔を見ていたら、私も死ぬまでに一度は「一生懸命頑張りました」って胸を張って言ってみたい、そんな気持ちになりました。
というわけで、明日から、色々頑張ってみようと思います。
これ、絶対やらない人の言い方じゃん。トホホ…
ふと自分に聞いてみたくなる1000の質問 #18
一生懸命頑張る。あなたはなんのために頑張るの?